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オープン特別展示U
焼津
第五福竜丸と画家ベン・シャーン展
ビキニ死の灰 世界をゆるがす

第五福竜丸
1954年3月1日、ビキニ環礁で、アメリカの水爆実験の死の灰をあびた第五福竜丸。
このときから23名の乗組員の苦悩が始まる。
静岡で初公開
ベン・シャーンの原画
この事件が世界に与えた衝撃の大きさと被災した漁夫の人間像を描き、事件の本質を深くえぐった画家ベン・シャーン。
「降下物」などの素描は人間の尊厳を静かに問う。
第五福竜丸
 久保山さんの
 無線機などを展示
事件を物語る多くの資料をとおして事実をていねいにたどり、福竜丸事件のもつ大きな歴史的な意味を郷土の歴史としてしっかりと受け止めたいと思います。
「降下物」/ベン・シャーン


期間/ 1997年2月28日〜5月18日
会場/ 旧静岡平和資料センター


展示室のようす
船の模型など ベン・シャーンの原画
郷土の歴史・第五福竜丸事件 ベン・シャーンの原画


展示会のようす
まず驚いたことは、小学生のほとんどが「第五福竜丸」の名さえ知らないということ。その意味では、若い人々に郷土の歴史として知ってほしいと願って企画された今回の展示の存在価値があったというものです。子どもたちの興味を引いたのが、ガイガーカウンターで放射能を測定すること。折から動燃の事故。放射能を初めて音で感知した驚きがあったのでしょう。

今回の展示に訪れた人の層は従来の来館者層とは明らかに異なり、福竜丸あるいはシャーンの絵を目的として来館しています。例えば、
●全国から生協の会員が大勢来館。その中に、当時原水爆禁止運動のさきがけとなった杉並の方がおられ、ここに展示してある署名簿であり、極めて危険であると皆に語っていました。
●そして何より特徴的なのが、焼津から訪ねてくださる方が多いことです。元漁師の方や、驚いたことにやはりビキニで被災し、その2年後に遭難して全員が他界した船の船長の弟さんが見えました。
●また、シャーンの絵に直行する人も、第五福竜丸展示館のシャーン展には行けなかったが、図書館に置いてあるチラシで知って訪ねてきたと、喜んでくださる方、画廊のほうも皆、異口同音にいうことばは、「もっと宣伝を」です。
●不十分な展示ながら、見崎吉男さんにも見ていただき、いくつか指摘していただきました。43年ぶりに大漁旗や延縄日誌などに対面なさいました…

ちなみに記者の評は「今回の展示は見ごたえがありますね」でした。


『静岡平和資料館をつくる会会報』30より一部抜粋


主催/ 静岡平和資料館をつくる会
後援/ 静岡市・静岡市教育委員会・焼津市
協力/ 都立第五福竜丸展示館・焼津市歴史民俗資料館